2026年の注目個展「ロン・ミュエク」が4月29日から六本木・森美術館でスタート!日本初公開作品も

2025/11/25 文・西村佳芳子

《マス》2016〜2017年
所蔵:ビクトリア国立美術館(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、 2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

革新的な素材や技法、表現方法を用いた具象彫刻で知られる現代美術作家、ロン・ミュエクの個展が2026年4月29日(水・祝)から9月23日(水・祝)まで開催される。ミュエクの個展は、日本では2008年に金沢21世紀美術館で回顧展が開催されて以来二度目。初期の代表作から近作まで11点を展示し、うち6点は日本初公開となる。フランスの写真家・映画監督のゴーティエ・ドゥブロンドが制作過程を記録した写真や映像も公開され、唯一無二の彫刻がどのように生み出されるのか、来場者の好奇心に応える展示だ。


寡作のアーティスト、ミュエクの作品を網羅的に紹介

眠りに落ちた作家自身の顔を約4倍の大きさで表現。

《マスクⅡ》2002年
個人蔵(ロンドン)
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

《イン・ベッド》2005年 
所蔵:カルティエ現代美術財団 
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館


ロン・ミュエクは1958年オーストラリア、メルボルン生まれ。現在はイギリス在住。映画や広告の業界で20年以上働いた後、1990年半ばに彫刻の製作を開始した。日本では、十和田市現代美術館に常設展示する《スタンディング・ウーマン》(2007年)でよく知られている。1作品を制作するのに数ヶ月、時には数年かけることもあり、過去30年間に制作されたのはわずか50点ほどだ。そのうち11点もの作品を集めて公開するのは極めて困難だといい、貴重な機会となる。

ドゥブロンドは25年以上ミュエクの制作過程を記録。ロンドンとイギリス南部にあるミュエクのスタジオなど、制作の舞台裏を写した貴重な写真と映像を展示する。

《チキン/マン》2019〜2025年
監督・脚本:ゴーティエ・ドゥブロンド

《マス》2016-2017年
所蔵:ビクトリア国立美術館(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、 2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館


今回は、作家とカルティエ現代美術財団との長きにわたる関係性の中で企画されたもの。2023年、パリで開催された同財団での個展を起点とし、ミラノ、ソウルを経て森美術館へやってくる。中心をなすのは、巨大な頭蓋骨の彫刻100点で構成されるインスタレーション《マス》。初公開だったNGVトリエンナーレ2017(オーストラリア・メルボルン)をはじめ、フランス、イタリア、オランダ、韓国と、展示室の構造や特性に合わせて会場が変わるごとに再構成されてきた。森美術館でも約300㎡にわたって展示されるが、まさにここでしか見られない姿になる。

《買い物中の女》2013年 
所蔵:タデウス・ロパック(ロンドン・パリ・ザルツブルク・ミラノ・ソウル)
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、 2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

《エンジェル》1997年
個人蔵
画像提供:アンソニー・ドフェイ(ロンドン)


そのほか、《買い物中の女》《エンジェル》など日本初公開の作品も注目される。ミュエクが人間を綿密に観察し、哲学的な思案を重ね、精緻な技法を用いて生み出した彫刻は、私たち一人ひとりに「人間とはなにか、生きるとはどういうことか」を問いかけてくる。


森美術館

東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 53階https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/ronmueck/

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